好きなこと、思ったこと

まずは頑張って続ける

絵心0で芸大生になった会社員

自己紹介をするほどの人間でもないのですが、しないのもあれなので。自分の身の回りのことを書きながら、徐々に素性をバラしていく作戦です。

 

2回めの大学生

まず、私は会社員として働きながら、社会人学生で芸術大学に通っています。
宣伝ではないですが、この大学の美術史や芸術理論を習得するコースです。

www.kyoto-art.ac.jp

実は会社員として働き始めてからずっとアカデミックな世界に戻りたいという願望があって、具体的には映画論(デンマークに留学も考えていた)、ファッション(身体論や哲学的なファッションについて)、フランス文学(なんでだっけ?)を勉強したいと思っていました。
実際9割くらいは、学生という身分で海外に行きたかっただけですが…でも、現実には留学するお金も、会社員として収入を失う勇気もなく、自分の情熱の弱さにも嫌気が差していました。

とはいえ、暇さえあればオンライン講座を受けたり、本を読んだり、できる限り身の周りをアカデミックにする努力はしていた気がします。

 

やっぱり大学で勉強したい!

会社員で学生をやるとなると、多くの大学はビジネスや経営についてのコースがほとんどで、私がやりたかった文系科目を夜間やオンラインで開講している大学はあまりありません。

興味がある人が関心の赴くままに、でも本格的に勉強できる場所があればいいのに…と思っていた時に見つけたのが、今通っている大学でした。

学費もどうにかなりそう(年間30万程度)で、ほぼオンラインで完結するという利点もかなり大きかったです。

 

なんでいきなり美術史?!

映画論、ファッション、フランス文学を勉強したかったのに、結局は美術史を勉強しているのは、以下のような理由があります。

  • ファッションを勉強していた時、服飾史と美術史は密接な関係にあると感じたから
  • 実際、ファッションの歴史を教えている先生は美術史出身の人も多い
  • 旅行に行って海外の美術館に行っても、「ルーヴル=モナリザ!」、「オルセー=笛吹いてる少年!」みたいな自分が恥ずかしかった
  • なんとなく、芸大生とか美術史ってかっこいい(センス良さそう?!)

ちなみに、私は絵心が皆無で、ちょっとしたゲームなどでも絵を描かなきゃいけない機会があると震えが止まりません(笑)

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エドゥアール・マネ『笛を吹く少年』

大変なこと

会社員として仕事をしながら、学生をやるにあたり大変なことは、まず時間がないことです。最近は朝と夜に最低1 時間ずつは時間を取るようにしていますが、レポート類は時間をかけても必ずしも完成するわけではないので、時間と成果が反比例している時のプレッシャーは辛い時もあります。

あとは美術史(特に私の場合は欧米を中心としています)を本当に理解しようとすると、美術史以外の知識が必要だということも改めて思い知らされます。哲学だったり、歴史だったり、ギリシャローマ神話だったり。
何千年にも渡る歴史のパンドラの箱を開けてしまった感があって、たまに絶望的になります(笑)

コロナ禍で辛いことは海外の美術館で本物の作品を見れないことです。やはり図録だけでは伝わらないものも多いと実感しています。

よかったこと

ただ、やっぱり趣味を超えて専攻として勉強することはメリットの方が断然大きいです。(学割含め!)

全員が美術史を勉強するべき、とは思いませんが、私が感じる最大のメリットは「見えないものが見えてくる体験」ができることではないかと。
真っ青な空に白い雲が浮かぶのを見て、印象派の絵を思い出したり、世界で未だ終わることのない戦争のニュースとスペインの画家たちが描いた内戦の絵をリンクさせたり。

美術館にある一枚の絵(=平面の情報)から、描かれていること以上の情報を立体的に受け取ることができるようになったことは、意外と他のことにも汎用性が高いのではないかと思っています。

とは言いつつも、まだ社会人学生を初めて4ヶ月で、留年・退学の可能性も十分あるので、あまり偉そうなことは言えません(笑)

ただ、一度社会人になっても興味とやる気があれば、いつでも学生になれる社会的な流れができると救われる人は多いんじゃないかな、と思います。

 

おわり